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▼高津和彦コラム

プレゼン上達、ここがポイント(第2回) 目的に合わせてシナリオテンプレートを使い分ける

監修/高津和彦
取材・文/今城裕実


前回、プレゼン上達のポイントとして「複数のシナリオテンプレートを身につける」という話をしました。
今回は、さらに掘り下げて、目的に合わせて使い分ける方法について解説します。

プレゼンには、代表的ないくつかのシナリオテンプレートがあります。
誰でも知っているものといえば、「起承転結」でしょう。
他にも、代表的な基本のテンプレートとして、SDS法やPREP法という名前を聞いたことがあるかもしれません。

さて問題は、これらのテンプレートを知っていたとして、これがどういう効果があり、どんな場合に使うといいかを判断できるかどうかです。
「型」を知っているだけでは、目的に合わせた使い方はできません。
その「型」の性質も、理解しておく必要があります。

例えば、SDS法。

1.Summary(全体要約)
2.Detail(詳細)
3.Summary(全体要約)

という構造の、きわめてシンプルなテンプレートです。
シンプルゆえに、伝わりやすくわかりやすいのが特徴。
わかりやすいのはいいのですが、事務的な雰囲気になりやすく、臨場感やドラマ性には欠けます。
社内で季節商品のプレゼンをする場合など、ある程度の意思疎通がある顔ぶれで、どんなプレゼンをするのかが予想できるような場合には、わかりやすさ優先のSDS法は効果的です。

このSDS法をプレゼンの外枠にしてDetail部分の中に違うテンプレートを入れると、メインの部分に別の効果を使いながらも、全体的にわかりやすく筋が通ったプレゼンになります。
テンプレートを複数身につけるということは、こうした重層構造の組立ても可能になるということ。

PREP法は、

1.Point(結論)
2.Reason(理由)
3.Example(具体例)
4.Point(結論くり返し)

という構造のテンプレートです。
結論から入り、理由・具体例を述べて、再度結論、というこのテンプレートには、インパクトと説得力があります。
購買・採用など、相手に行動を起こさせたい時に効果的です。
売り込みを目的としたプレゼンや、ライバルのいるコンペなどで、よく使われます。

1.この商品を買うと、あなたの暮らしは豊かになります。
2.なぜなら、こういう機能があるからです。
3.例えば、こんな時とても役立ちます。こんな使い方もできます。
4.ぜひ、この商品で豊かな暮らしを楽しんで下さい。

「商品説明からスタート→この商品をおすすめします」という流れにはない説得力が生まれますね。


代表的な2つを例にあげましたが、プレゼンのシナリオテンプレートは、これだけではありません。
他にも、いろいろなパターンがあります。
そして、それぞれに効果があり、向き不向きな商材があります。

プレゼンの上手下手は、センスで決まると思っていませんか?
確かに、初めてでもそつなくこなせる人もいるにはいます。
しかし、それはスタート地点が少し先なだけ。
知識と訓練で、いくらでも逆転は可能です。さらに大きく引き離すことだってできます。

説得力のあるプレゼンが作れないという悩みは、シナリオテンプレートを学ぶことによってかなり改善できます。
SDS法、PREP法だけでなく、たくさんのテンプレートを覚え、使えるようになって下さい。

>> プレゼン上達、ここがポイント(第3回)


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