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▼高津和彦インタビュー
取材・構成/今城裕実
撮影/北尾浩幸
高津: | 「ぼやかし言葉」がクセになっている人は、さっきの靴の話みたいに「白、黒」にしなさいとは言いませんから、相手が不愉快に思わないラインまで不要な部分を削り落とすように意識して、プレゼンするといいですよ。 |
今城: | 私も「ぼやかし言葉」などは使わないように、気をつけたいと思います。 |
高津: |
じゃあ、ついでにもう1つ、意識した方がいいポイントを教えましょう。 あなた今、「気をつけたいと思います」と言ったでしょ? どうして、「気をつけます」じゃなくて「気をつけたいと思います」だったんでしょう? |
今城: |
…あれ? どうしてかな? 「気をつけます」だと「気をつけたいと思います」よりキツイ感じがしたから… って、これがもう「ぼやかし言葉」の落とし穴にはまってるんですね! |
高津: |
![]() 言葉の「かさ増し」や「つなぎ」で、長くするのが「ぼやかし言葉」でしたね? 目的は丁寧の演出――僕は、プレゼン・スピーチにおいて、これは間違った丁寧だと思っていますが。 そして、その「ぼやかし言葉」の中に、さらに「あいまい表現」というのがあるんです。 これは、目的が違う。丁寧と見せかけて、実は「責任のがれ」なんです。 あなたが使った、「〜したいと思う」は、「あいまい表現」のひとつですね。 |
今城: | 「あいまい表現」とは、責任の所在をあいまいにする言葉、ということですか? |
高津: |
ええ、日本人は好んで使います。特に、役所や偉い人たちがね。 例えば、「気をつけたいと思う」だったら、もしできていなかった時に「気をつけようとは思っていたんだけど、できなかった」と言えるんですよ。 「気をつけます」だったら「気をつけると言ったじゃないか」と責められても仕方ない。 だから「気をつけます」という明言を避けているんです。 |
今城: |
そうですね、自分を追い込むというか、はっきり言うことを自然と避けていました。 だから何となく「気をつけたいと思います」という表現を選んでしまっていたんですね。 |
高津: |
「〜します」と言うところを、「〜するよう配慮します・考慮します」と言うのも、同じ理由ですね。 他にも、いくつかのものを列挙したあとにつける「〜等」。AとBしかないのに「A・B等」と言ってしまうのは、もし想定外にCがあった場合に責任をのがれられるから。 具体例を言わず「〜性・〜的・〜化」のような抽象的な熟語で責任をぼかすことも多いです。「危険性」とか「包括的」とか「活性化」とか、ね。 そこにいろいろ含んでいることにしちゃうわけです。 |
今城: |
確かに、行政の文書はそんな表現ばっかりです。で、結局「何がどうなるのか」は今ひとつわからない。 言葉をぼんやりさせて、責任をあいまいにしているわけですか。なるほど。 |
高津: |
プレゼンでは、自信がない人がこの表現を多く使いますね。 プレゼン自体の構成や内容になのか、自分自身の話し方になのか、プレゼンしようとする商品にか――そこはわかりませんが、とにかく自信がないと、言葉がボンヤリしてきます。 逆に言えば、こうした表現を使っていると「自信がないように見える」ということ。 上司や先輩が、プレゼンで「ぼやかし言葉」「あいまい表現」を使っているのを見て、プレゼンとはこういう話し方をするものだ、と思っている人は、ずいぶん損をしていますよ! |
今城: | プレゼンを実戦で学ぶことや、場数を踏むことは大事でしょうけれど、上司や先輩のコピーをして、それが正しいとは限らないんですね。ちゃんとやっているつもりなのに、どうもうまくいかない人って、そういうところに原因があるのかもしれません。 |
高津: |
![]() そこを変えると、会社自体の力が伸びるのにね。 そういう会社だと、自分の行動についての言葉だけでなく、相手に対しても同じことをしてしまいます。 「〜して下さい」と言わずに「〜していただければと思います」って言うでしょ? 「うちの商品はここがいいんですよ、おたくにピッタリです、ぜひ買って下さい!」じゃなくて「弊社の商品におきましては、ナントカナントカ等のサービス等が付随しておりまして、御社にとっては非常に恒常的な有効性が〜〜〜〜」なんて長々言ったあげくに「ご購入をご検討いただければと思います」って。 |
今城: |
つまり、「買って下さい」と言ってしまうと責任が重いから、「いいと思ったら考えてみて?」ということですね。 極端な話、「買えとは言っていない」と(笑) |
高津: |
ええ、これでは、自分が売ろうとするものに自信がないと受け取られても仕方ありませんよ。 僕のセミナーに来る人には、脱「ぼやかし言葉」を指導していて、装飾過多な言葉を削ぎ落とし、なおかつ相手の意欲を促すような話し方を具体的にトレーニングしています。 でもそこは1人1人に合わせて実際にやっていかないと効果が得られないので、今お話しても仕方がない。 そこで今日は、誰にでも共通するポイントを1つだけ、お教えしましょう。 |
今城: | ぜひ、聞かせて下さい! |
高津: | それはね、「プレゼンは、プレゼント」だということ。 |
今城: | えーと、それはどういう意味ですか? |
高津: |
簡単なことです。プレゼントをするように、プレゼンすればいい。 元々、語源は同じなんですよ。 あなたが、2人の人から同じぐらいの大きさ・同じような包装のプレゼントを差し出されたとしましょう。 「つまらない物ですが、お受け取りいただければ幸いに存じます」と言う人と、「これ、君にピッタリだよ、絶対喜ぶはずだよ、受け取って!」と言う人。 どっちの箱を受け取りますか? |
今城: | もちろん、後の人のです! |
高津: |
そう、そういうことなんですよ。
先の人は淡々と無表情で、後の人は笑顔でパワーがあるのが、言葉だけで想像できるでしょう? 喜ぶものを一生懸命に考えて、喜んでくれるように差し出す―― 相手の心を動かすのは、プレゼントと同じようなこの気持ちです。 |
今城: | なるほど、「プレゼンはプレゼント」。同じことなんですね! |
高津: |
言霊、はご存知ですよね? 言葉には魂が宿る。 逆もまた然り、なんです。魂が、言葉に影響を与える。 自信がなければ自信のない言葉が、相手を喜ばせたいと思えば相手の喜ぶ言葉が、自然に生まれてきます。 「プレゼンはプレゼント」だという気持ちを持てば、言葉の表現は自然とストレートに伝わりやすいものになっていくんですよ。 |
今城: | では、脱「ぼやかし言葉」「あいまい表現」への第一歩は、「プレゼンはプレゼント」だと肝に銘じることなんですね! |
高津: |
その通り!
どんなプレゼンにも共通する、とても大事なこと。 そして、相手の心をつかむプレゼンのために、忘れてはならない基本です。 「プレゼンはプレゼント」、覚えておいて下さいね! |
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