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▼高津和彦インタビュー

ビジネスリーダーの条件とは―有能なリーダーに必要な能力

取材・構成/今城裕実
撮影/北尾浩幸

企業間格差が広がる混迷の時代に、真に求められるリーダーシップとは何か?
人材の潜在能力を120%引き出し、社内に活力をもたらす「ビジネスリーダー」に必要な能力について、
独自のメソッドで社会人教育を行う高津和彦氏にお話をうかがった。

今城: 高津先生、本日はよろしくお願いします。
巷ではビジネスリーダー研修が盛んですが、有能なビジネスリーダーとはどういうものだとお考えですか?
高津: 今の社会では、どの企業も苦しい時代ですから、どうしても余剰の人員を抱えるわけにはいかない。
だから、リストラも起こるわけで・・・どうしても少数精鋭主義になりますね。あんなにたくさんの求人広告が出ているのに失業率が高いのは、企業側が「役にたつ人しか欲しくない」と思っているということ。
常にギリギリの人数で稼動しながら、それでいて誰かが辞めてもなかなか補充がきかない、という職場が非常に多い。
そんななかで、部下を持つビジネスリーダーに求められているのは『能率的に人を動かす』ことと、『人材育成』だと思います。

つまり「人を動かす・育てる・定着させる」という役割を果たせるのが、有能なビジネスリーダー。
多くの経営者が、若い社員やパート・アルバイトが思うように動かない、成長しない、すぐ辞めてしまう、ということに悩んでいるんです。
今城: そうしたビジネスリーダーの役割を果たすために、必要なスキルってなんでしょう?
高津: まず、人を動かすということについてですが・・・
ただ動かすだけなら、怒鳴っても動くんですよ。 でもそれじゃ萎縮してしまって、言われたことしかできない人間になったり、指示待ち族になったり。作業効率も、士気も下がる、あげくの果てには辞めてしまう、となります。

効率よく人を動かすには、内発的な動機を与えて気持ちよく働いてもらわないと。
そのために重要なのが、観察力です。

何かを動かすということは、観察して、特性を理解するところから始まる。
ほら、前に進むのは三輪車も自転車もバイクも車も同じでしょ?
でもそれぞれに特性があって、それに応じた運転方法でなきゃ、ちゃんと進みませんよね。
今城: それは、後輩・部下・従業員も同じということですね。
高津: そうです。
部下や後輩を、よーく観察して、特性をきちんと把握して、それぞれに合わせて指示をしないと。

例えば、急いで先にやってもらわなければならない仕事が発生したとしますよね。
「オイ、これを先にやれ。ツベコベ言うな。とにかくやればいいんだ。」と言っても、やるにはやるでしょう。

でも、他の仕事への影響や部下のメンタル面でのリスクも考えずに、良いリーダーとは言えない。 より早く・正確にその仕事をしあげるために・・・わかりやすく表にしてみましょう―― ここまで考えて、指示を出せているでしょうか?

部下のタイプ アプローチと対応
Noと言えない 引き受ける=責任感と思っているので、「今、やれる?」と訊くのはNG。
「今、やってる仕事は?」「急いでいるのはどれ?」と 答えやすいように具体的に質問し、現状を把握する。オーバーフロー気味なら「じゃあそれをA君にしてもらうから、君はこっちを優先して」と整理して指示をする。
すぐムッとする ムッとする原因=できない・やりたくない理由を把握する。
(仕事が多いなど。解決できるものは対処する。)
まずは、理由に対して理解を示し、それでも君にやってほしいという事情を説明。できれば、ちょっと持ち上げて。
段取りが下手 日頃から手持ちの仕事をチェックして優先順位について考えさせる。
新たに頼む時には、 その重要度と優先順位をはっきり説明し、理解させておく。
頼む時点で、終わりの期限を明確に示すことも大事。
(スタートではなくフィニッシュの順番を意識させる)
いいかげん 「あ、いいッスよ〜」と引き受けて忘れてしまうタイプ。
なぜ急いでいるのか、なぜ君に頼むか、を はっきり伝えて印象づける
「ここまでできたら一度見せに来て」など途中報告をするように指示しておくことも大切。
仕上がり予定を、依頼時・中間報告時に自己申告させる。

こんな風に、1人1人に対して違う対応をできるのが、有能なリーダー。
そのためには、まずは観察力です。

僕の持論ですが、すべてにおいて観察力は重要。
日頃から興味を持ってものをよく見ている人は、部下の特性もそのひとつですがデータの蓄積量が違う。
だから突然スピーチを頼まれても何かネタを見つけてしゃべれるし、プレゼンで的確な質疑ができるし、会議で発言もできる。
観察とは、ただボーっと見るのとは違う。何かを見出そうと思って見る。

人間なら、この人ってこういうタイプだなとか、物ならこんな形だなとか、脳内にわいてくるものを言語化する訓練でもあるんです。
今城: 観察力が必要というのはわかりましたが、それで対応を変える必要があるんでしょうか?
高津: それで対応を変えなかったら、何のための観察ですか(笑)
それぞれに合わせて話し方やアプローチのしかたを変える――それでこそ、人を動かすことができるし、効率がアップする。
よく、指示の出し方・怒り方・ほめ方、すべて誰にでも同じにやっといて、結果が違うと「コイツはよくできる、アイツはだめだ」なんて上司がいますが、努力不足ですね。

女性だって、誰にでも同じ口説き文句・同じデートコースの男性がいたら、ダメな男だなぁって思うでしょ?(笑)
今城: あ、それはすごくイヤです。私のことも女心もわかってないなー、と思いますね(笑)
高津: そう、どんな人間関係だって、基本は同じですよ。
相手を理解すること。理解しようと努力し続けること。これが観察です。

こうして部下をよく観察し、わかっていなければ、後の2つ「育てる・定着させる」もできない。
今城: 「育てる・定着させる」ができないのは、どうしてですか?
高津: まず、観察しなきゃ長所・短所などの特性が見えてこないでしょう。
伸ばしどころも苦手なことも把握できないままじゃ、効率的に人を動かせない。人を動かすのが下手な人のもとには、人材は育たないし定着しません。
だって、自分を生かしてくれる上司でなきゃ仕事が楽しくないですから。

人材を育てるためにも、定着させるためにも、ひとつ重要なことがあります。
それは、自分は役に立っている・結果が出せている、という達成感を味わわせることです。達成感があれば、仕事への自信になりますし次のステップへの向上心も生まれます。仕事への満足度が高くなるので、定着率も上がります。

有能なビジネスリーダーは、
観察からスタートして、特性を把握する→うまく指示する→達成感を味わわせる、 ができる人です。
今城: ということは、観察力があればビジネスリーダー合格ですね!
高津: いやいや、観察するだけじゃダメですよ。
職場を庭だとして、生えてる植物の特性や育て方をわかっていても、手入れしなければ荒れ放題。
育ちやすい環境を与えてやることも大事ですが、特性に応じてきちんと手入れ・・・つまり指示ですね、これが重要です。モミの木には「君はまっすぐ上に伸びるといいよ」、芝生には「地面を覆って役に立ってくれ」、ツタには「フェンスを任せられるのは君しかいない」という具合に。

それには、伝えたいことを伝わる声と言葉で話すスキルが必要です。
リーダーなのに、声が小さかったり滑舌が悪かったりして、何を言っているのかわからない、なんて論外。

あと、脳内で文章がうまく組み立てられなくて、わかりづらい指示を出す人。
これじゃ部下が言うこときかなくてあたりまえ。混乱するだけでなく、部下に二度手間・三度手間をさせるということですから。

何を言っているのか聞こえない・内容がわからないじゃ、指示に従いようがないですよね。
今城: では、観察力+話し方スキルも必要ということですか・・・大変そう!
高津: いえいえ、そんな大変なことじゃありませんって。
メタボのお腹を引っ込めるのは大変だけど、話し方を変えるのはそれほど難しいことじゃない。

それに、ビジネスリーダーなら人前で話す機会も多いので、話し方スキルを身につけると必ず役にたちますよ!
スピーチでも、会議でも、社員教育でも、ビシッと話せる上司はカッコイイでしょ。
今城: 確かに、話し方が頼りない上司には、ついていこうと思えませんね。
高津: そうそう。
「人を動かす・育てる・定着させる」には、そうした尊敬されるリーダー・人間的魅力を感じさせるリーダーであることも非常に重要なんです。

僕はいつもセミナーのどのステップも、めいっぱいアンテナを張り巡らせて観察してなきゃいけないようなカリキュラムにしています。それと、声もたくさん出させるし、発言もさせます。
僕のセミナーは、まる1日中油断できませんよ。(笑)

でも、1日そうやって過ごすと、びっくりするぐらい変化があります。
発声なんかは、自宅でトレーニングを続けない人はだんだんレベルが戻っていきますが、 視点の変化というか、話し方に対する意識が変わったことは、ずっと残り続けます。
コミュニケーションには観察が欠かせないとか、声を出し自らアクションを起こさなければ何事も始まらない、とかね。
こういうことをトレーニングの中で体感して、自分の中にストンと入ると、一皮むけるんです。
今城: なるほど、話し方のトレーニングを通して意識改革もできるんですね。
高津: そうなんです。
僕の持論は、「話し方のトレーニングで『前に出る力』を生み出す」こと。(参照=高津メソッド)

よくあるビジネスマナー講座のキャッチフレーズに「相手に嫌がられないコミュニケーション」とか「人を不快にさせない話し方」とか、ありますよね。 僕からすれば、そんなひたすら無難に過ごすようなレベルを目指してどうするんだ、と言いたい。

どうせなら「自分も相手も楽しいコミュニケーション」「相手が大喜びして自分も嬉しくなる話し方」がいい。
そういう、ポジティブでアクティブなコミュニケーションをする人の方が、誰の目から見ても絶対かっこいいですよ!
部下や後輩を持つ人には、ぜひそんな「ついて行こう!」「あんな風になりたい!」と思われるかっこいいビジネスリーダーになってもらいたいですね。

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