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▼高津和彦インタビュー

プレゼン緊張あがり解消法1

取材・構成/今城裕実
撮影/北尾浩幸

今城: 今日のテーマは、プレゼンでの緊張・あがりを解消するということです。
これは、興味のある方が非常に多いのではないでしょうか。
高津: ええ、そりゃもう、一番よく聞く悩みです。
プレゼン初心者はもちろんのこと、かなりの場数を踏んでいるはずの人でさえ、一様に「すごく緊張する・あがってしまう」と口にしますよ。
今城: そもそも「あがる」とは、どういうことなんでしょうか?
高津: いい質問ですね。
まず「あがりの正体」を知らなくては解消法も見えませんし、そこから始めましょう。
「緊張の分析」、つまり緊張する理由の解説からスタートして、次に解消方法の理論、そして具体的な解消トレーニングという順で話を進めていきますね。
今城: わかりました。では、まず「あがりの正体」を教えて下さい。
高津: はい。 辞書(大辞泉)によれば、「あがる」とは「のぼせて平常心を失うこと」とあります。
頭に血がのぼることから出来た言葉なんです。この「あがる」の名詞形が「あがり」。

あがりやすい性質、またはそういう人を「あがり性(ショウ)」と言います。

本来は「凝り性」や「性に合う」と同じ「性(ショウ)」で、単に「その傾向が強い」という意味なのですが、この頃ではメンタル的な病気のようにとらえて「症状」の「症(ショウ)」で「あがり症」と書く人が多いですね。
今城: あ、私も症状の症で「あがり症」だと思っていました。
症状のショウではなく、凝り性のショウだと知っただけで、かなり気が楽になります。
高津: そうですね。
「自分はあがり症だから」と、治らない病気のように思っている人も多いです。
確かに、顕著に身体的症状が出るようなら、背景として強迫観念や対人恐怖があるかもしれません。
しかし、大半の人は「凝り性」のショウの方で、単なる緊張状態ですよ。
今城: なるほど。
でも、緊張もやっかいではないですか?  緊張も、プレゼンの妨げになりますから…
高津: 緊張というのは、周りの状況変化を身体器官―つまり目・耳・鼻・皮膚などが察知して、自律神経が反応し、意思とは無関係に肉体がある種の興奮状態に陥ることです。
実は、これが適度な範囲なら、プレゼンの妨げどころかむしろ味方になるんですよ。
高揚している方が、潜在的な実力を発揮できることが多いですから。
今城: ということは、緊張が過剰な場合が問題なんですね?
高津: そうです。
緊張はそもそも、異常を察知した時に身体が危険に備えようとしているんです。何かあったら、何も考えず瞬時に動けるように。だから、緊張が高まりすぎると何も考えられなくなるんですよ。

緊張が起こる原因には多くの説がありますが、僕の考えはこうです。

「緊張は、自己と他のエネルギーの差によって生じる」ということ。
どういうことか、わかりますか?
今城: エネルギーの差、ですか? うーん、よくわかりません。
高津: じゃあ、わかりやすく説明しますね。
まず、言葉の定義をしましょう。
自己から外に向けて出されるエネルギー、これを「内圧」と呼びましょう。
対して、外から自己に向けて発せられるエネルギーを「外圧」と呼びますね。
エネルギーの差から緊張が生まれる、というのは、「内圧」を上回る「外圧」を受けている状態ということです。
今城: 「外圧」とは、具体的にどういうものですか?
高津: 人、モノ、環境など全ての外的要因です。目・耳・鼻・皮膚で感じること全部。
あなたが感じる匂いだったり、視覚的に認識した周囲の人々や、聞こえてくる音や、温度や湿度、など。
それによって感じる「プレッシャー」と言った方がわかりやすいかな?
今城: そんな、人や音や温度がプレッシャーになるものなんですか?
高津: もちろん。
例えば、親しい人1人を前になら普通に話せる。これは、外圧が低い状態です。

でも、全然知らない100人が目の前にいたら? すごいプレッシャーでしょ?
そして、その人たちがザワザワして全然聞いてくれそうになかったら?
逆にシーンとして、あなたの言葉を待っていたら?
その場所が、やけに蒸し暑かったら? きつい香水のにおいで気持ち悪かったら? プレッシャー感じますよね。

今の例なら、「これが外圧」ってわかりやすいでしょう。
でも、無意識に感じているものも含めて、外圧はありとあらゆるものから発せられています。
こんな場ならスピーチもプレゼンも大丈夫、と思っていたはずなのに、やけに緊張したりする場合は、意識していない外圧を身体が感じている時なんです。照明だったり、においだったり、壁やカーテンの色だったりね。
今城: へえ! そうか!
言われてみれば、心あたりがあります。どうしてかわからないけど緊張するのは、そういうことだったんですね。
高津: そうです。
具体的にこれ、とは意識していなくても、リラックスできる状態や慣れている状態から遠ければ遠いほど、
外圧が高いと思っていいでしょう。

スポーツの試合でも、施設の環境はほぼ同じで観客の数も同じでも、アウェイの方がプレッシャーがかかる。
いつも大勢を前にスピーチをしている人なら、逆に1対1の方が緊張するかもしれませんね。

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